「綾・・・俊輝の事聞いたよね・・・」

私は小さく頷いた

「私がタクシーなんか呼んだから・・・
 私が誘ったりしたから・・・
 私が・・・」

私は止まらない涙を流しながら

毛布に顔を埋めた

「綾の性じゃないよ・・・!」

伊織は私を抱きしめてくれた

「俊輝が・・・もういないなんて・・・
 信じれないよ・・・・・・」

私は体中の水分がなくなるんじゃないか

くらいまで泣き続けた

「・・・もういやだ・・・
 最後に愛してるも言ってあげられなかった・・・」

伊織はぎゅっと強く抱きしめてくれた

私が一週間も寝ちゃってたから

最後に見た俊輝の姿は

タクシーの中の俊輝の焦った姿だった

「・・・もう・・・死にたいよ・・・・・・」

そう呟いた瞬間伊織は体を離した

「綾が今生きてるのは俊輝が自分の命を
 かけてまで綾を守ったからだよ!!
 死にたいなんて言わないで!!
 綾が死んだら俊輝の死が無駄になるでしょ!」

伊織は泣きながら私に怒鳴った

「・・・ごめん・・・
 ・・・・・・ごめんなさい・・・」

私は目を押さえて何度も謝った

「綾もうそんなこといわないで」

伊織の言葉に何度も頷く

そして伊織は一度外に出て

車椅子を持って戻ってきた

「俊輝、まだココに居るんだ・・・
 だから連れてってあげるよ」

私は手術したばかりでうまく歩けない

伊織はそれを分かって

車椅子に乗せてくれた

暗い道に入ってある個室に入った