「・・・・・隼人さん・・・?」


急に抱きしめたせいか、妃奈が身じろぎをした。隼人は周りを見渡し、人がいないのを素早く確認する。


少し体を離し、妃奈の顎を持ち上げ、軽くキスをする。


―――こんなもんじゃ満足は出来ないがな・・・・―――


隼人は心の中で呟く。


みるみる内に妃奈の顔が紅潮していく。

「・・・・誰も居ない。そろそろ出るか?」


わざと素っ気なく言い、助手席のドアを開ける隼人。


慌てて辺りを見回し、妃奈は車に乗り込んだ。