ピ・・・・。電話を終えた俺はジロリと背後を睨んだ。
「お前らうるせぇんだよ・・・・・」
俺の手元には一枚の雑誌の切り抜きが落ちている。原因はソレだ。
「・・・・わ、若が・・・・デートの申し込みをっ・・・・」
「どこの女だ・・・・?命知らずな・・・・あの若を顎で使うとはっ」
口々に好き放題言ってやがる。一体どこから漏れたんだ?
軽く舌打ちすると、途端に部屋が静かになる。すると、廊下から声が聞こえてきた。
「若、明日はお出掛けになられるのでしたら、この書類にお目を通しておいて下さい」
・・・・あの静寂を打ち破るのはコイツくらいだ。