「・・・・・・・・・・」
言われるがまま隣りに座ると、隼人は指を絡めそのまま黙り込む。ちらりと彼を見るとじっと私を見つめている。
「もしかして…観覧車苦手でしたか・・・?」
肩がピクリと動いた。右手で顔を隠し、恥ずかしそうに呟いた。
「…子供の頃、一人で観覧車に乗って3時間閉じ込められた。それ以来乗ってない」
「ごめんなさい…私が乗りたいなんて言うから
」
シュンと肩を落とす妃奈に、隼人は微笑む。
「何故謝るんだ?笑い話だろ?大の大人が女の手握って。どうする?突然泣き出したら」
少し意地悪そうな顔で尋ねる。
妃奈は少し立ち上がり、隼人を抱き締めた。
「!?」
「周りが見えないように・・・します。」
---ふと我に返ると、隼人がじっと見つめていた。あわてて離れようとするが、ピクリとも動かない。
「隼人さん?」
心なしか、ほんのり彼の頬が赤い。何も言わず、ただ妃奈を見つめている。