「あ、高野さんッ!
私ね、もう友達ができたのよ♪」



お嬢様は嬉しそうに言った。


「そうですか。
それは何よりです。」


その友達は、少し不思議そうに俺を見た。


「ねぇねぇ、この人誰??」


お嬢様に尋ねる友達。


「えっと…」


返答に困っている様子のお嬢様。

「執事」と答えるのが嫌なのだろう…



まぁ、お嬢様学校でもないこの中学校は一般人ばかりだからな…


友達の反応が気になるんだろう…

そーゆー年頃ってことか…



2コ下のお嬢様の気持ちがなんとなく分かる




でも、そこまで友達ってモンは脆くねぇよ?




「私は、お嬢様に仕えている者です。
どうぞ、お嬢様をよろしくお願いいたします。」




柄にも無く微笑んで見せる俺。


営業スマイルってヤツだな…



最近よく思うのは、俺は案外執事が似合うのかもしれない…






演技は下手じゃない…