その日はお嬢様の中学校の入学式で。
俺は一人前の執事になることができた。
幸い、問題は今まで何一つ起こしていない。
それは、アイツも同じだ。
当初、神谷と呼んでいた、海琉。
ただ、これからはもう…
会える事も無いだろう。
俺は移動になった。
移動が下ったのは前の日のこと。
未だに海琉には伝えられていない。
俺は、別れを怖がっていた。
ホント、情けねぇ…
入学式が終わり、いつもの迎えと同じように俺はお嬢様の元へ向かった。
校門へ足を踏み入れて少し歩くと、お嬢様が目にとまる。
もう友達ができたのだろうか。
数人の友達と楽しそうに話をしている。
「お嬢様、お迎えに上がりました。」