何で俺がこんなちっせぇ女に仕えなきゃなんねぇんだよ?
なんて、最初の頃はそればかり。
そのお嬢様は双子だった。
少し先に生まれた姉のほうが、俺のお嬢様。
まだ見習いの俺は毎日緊張の糸を緩めることは無かった。
気を抜けば、どんな罰が待っているか分からない。
そして、少し遅く生まれた妹の執事。
丁度俺と同い年の男だった。
名前は、神谷 海琉。
ヘラヘラニコニコした軽そうなヤツ。
それでも、少しだけ大人びた容姿。
お嬢様同士もちろんのこと仲がよく、いつも一緒にいることが多かった。
そのため、俺も神谷と居合わせることがよくあった。
そのことがきっかけで、俺等はいつのまにか仲良くなっていたんだ。