ゆっくりと、しかし確実に白い布の所へ向かう。

 そして顔の部分をめくる――



 そこには、見慣れた秋人の顔があった。

 生気の無い、白い顔。

 そっと、頬に触れてみる。

 冷たいのに、ほんのり温かい様な気がする。

「秋人君……」

 堰を切ったように、涙がどっと溢れてきた。

 ぼろぼろと頬を伝う涙は止まることを知らない。