すると、やはり向こうのほうから誰かが現れた。
段々近付いてくる‘それ’は前よりも動きがゾンビに近付いているようだった。
「気持ち悪い……」
動き、匂い、空気、見た目、全てが酷いものだった。
逃げる事が出来ないのでじっと見つめるほか無い。
恐怖か、痛みか、どちらのせいか分からないが、さっきから冷や汗が止まらない。
寒気さえ感じられるほどだ。
とうとう……手を思い切り伸ばせば触れられる距離まで来た所で、黒い物体は立ち止まった。
――いつもならとっくに意識が飛んで病院の中に居るはずなのだが
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