「優香……久しぶりだね。って言っても、会えていたけど邪魔されて会話できなかったけど」

「ごめん、私覚えていないの……」

「そうか。それでいい。辛い思いはしなくていいよ」

「ねぇパパ。どうしてそんなに苦しそうなの? 顔が痛いの?」


 押さえていた右手を離し、その手で優香の頭を撫でてくれる。

 見ると、右目だけとても充血していた。

 心なしか顔色も悪いように見える。

「心配しなくていいよ。優香を守れるならこの位なんともないからね」

 そして‘亡くなってもなお、力になれるなら’と付け足した。