「ごめんね、ママ、明日香。パパの所に行ってくる」

 まだ何か話しているようだったが、後ろ髪惹かれる思いで二人のもとを走り去った。

「パパ!!」

 向こうから近付いてきていたのはやはり父親だったが、何か様子がおかしい。

 どうしたのかは分からないが右手で顔の右半分を押さえている。

 駆け寄って、顔を覗き込むが酷く疲れているように見えた。

「パパ!?」

 やっと優香に気が付いたのか、弱々しい笑顔を向けてくる。