この夢は久しぶりだったが、それは定かではない。

 なんせ父親と会った時以来、この夢を見たかどうかすら覚えていなかったのだから。

 少し遠くに二つの影が見えるが、恐らく母親と妹だろう。

「もしかしたら今日こそ話せるかもしれないよね!」

 駆け寄ってみると、途中で止まる事無く二人に近付くことができた。

 いつもと同じようになんとも切ない顔をして遠くを見ている。

「ママ……明日香……」

 恐る恐る呼びかけると、なんと二人とも優香のほうを見た!