むかしむかし、あるところに一人ぼっちのろうそくがいました。



つめたい風がヒューッとふきました。


ろうそくは、なみだで炎がきえないようにいっしょうけんめいなみだをぬぐいました。



ろうそくは生まれた時からずっと、一人ぼっちでした。



「さびしい…さびしいよ」



ろうそくが思わずこぼした小さな声を、ある女の子はききのがしませんでした。


ろうそくは後ろからあたたかみにつつまれ、一人の女の子にであいました。


ろうそくはその女の子の家に行き、でんきがつかえない女の子の家をあかるくしました。


ろうそくは、人のやくにたったのです。