光「…」

理華「光!!」

理華の大きな瞳が訴えている。
光はその目を見ないようにしながら言った。
光「…田村に、あげたの?」

焼きもちを焼いている自分が惨めで情けなかった。

理華「え、何を?」

光「…チョコ。」

理華「……あっ!あれは私のチョコじゃないよ。マイに頼まれて渡したの。」

理華は、鞄から綺麗にラッピングされたチョコを取り出した。

理華「私のバレンタインはこのひとつで充分…」

そう言って光に渡した。涙が出そうだった。

光「理華、ごめん。疑ったりして最低だね、私。」

理華「私も、心配させてごめんね。」

理華と光は笑顔に戻った。

理華「ところで光のチョコは?」

光「えっ?」

光と理華が帰ろうと廊下を歩いていたときだった。

ドドドド

光「ゲッ!?」
理華「え!?」


すごい速さで逃げる麻子とイズミ、それを追いかける教頭がいた。

イズミ「光、理華助けてっっ!!」

光「バ、バカ!こっち来るな―」