光はブランコに座りながら一点を見つめていた。

理華「ひかるー!」

理華は二人きりで会うのを楽しみにしていたらしく輝くような笑顔でこちらに向かってくる。
いつもはこの笑顔を見ると疲れが吹き飛ぶのに、今日は胸が痛い。

理華「おまたせ!!」

普段の光なら「私も今来たんだ。」と明るく返すのだが、優しい言葉をかけることもできないほど田村の言葉が頭の中を埋め尽していた。

理華「なんか顔色が悪いよ。汗もかいてる。」

理華が心配して、光の額にさしのべた手を光は反射的によけた。

理華は、そんな光の反応に驚いていた。

光「あの…さ。理華、突然なんだけど…。」

理華も、光の今までにない深刻さを全身で感じとった。

光「別れよう。」