入学して間もない、6月後半。
中2からバンドでボーカルをやっているミサは、経験を積み上げてきたおかげか、TVに抜擢された。

長いロケや収録を終えてから一週間で放送された。

でも、放送された頃からか、学校のみんなの態度は一変した。
まだ入学して間もないのに、気づくとミサは保健室登校になっていた。

ストレスでヘルペスも出来て、マスクをつける毎日だった。
たまに教室に行くと、ヘルペスをネタにされて笑われ、ミサはマスクを取ることさえ惜しんだ。

どうしてこういう風になってしまったんだろう。
ただのバンド活動のひがみだとは思えなかった。ひがみだとしても、きっとそれだけじゃない。

あの素の性格を出さないで隠してた自分に、何か問題がある。
きっと自分のどっかに問題があると、ミサは悟った。




その頃からだ、彼と連絡を取り始めたのは。




しばらくしてミサは適応障害と診断され、ますます学校へ行かなくなった。
学校へ行かなくなってしばらく経った7月中旬。

ミサは、親同士も同級生で家も目の前、生まれたから仲のいい愛莉と連絡を取った。
愛莉は黒のロングヘアーで、まるで清楚の代表のような女の子。

高校生になって、TVでバンドの姿を見て、連絡を取ったのがきっかけだった。
生まれた時からずっと一緒にいたのに、愛莉は中学生になった途端に何故かミサを嫌っていた。
今思えば、お互い仲良くする友達が違ってきたすれ違い、嫉妬だったのかもしれない。
ミサは、そんな愛莉を自宅に呼び出した。


「そっか…、そんな事が起こってるのね…」


愛莉は困った顔をしてしばらくミサを見つめた。
一方のミサは相談したにも関わらず、愛莉に心配かけさせないように笑うしかなかった。
愛莉はミサの笑いに応えるようにちょっと苦い顔で笑うしかなかった。