「携帯。落としたんだっつの」
「あ…、ありがとうございます!」
私は笑顔で携帯を受け取った。
「……へぇ」
ケイタはぼそっとつぶやいた。
「え?」
「昼休み、また屋上に来いよ。」
「…は、はいっ」
何でだろう?だけど生の立石先輩はやっぱりかっこよかったな…。ブラウン色の髪にくりくりの目。背は高いし…理想像だよ!
『ピリリリリ』
電話だ。あ。ナオからだ。
「もしもし」
『ダイチ大丈夫だった?』
「全然、大丈夫!」
元気すぎるくらい、と言おうとしたが、ナオが余計心配しそうだからやめた。
『良かった。また僕もダイチに会いに行く。それよりさっき、サキが探してたよ。』
「サキが?」
『うん。今日の部活は男子バスケと合同だーって。』
げ…男バス…また「あいつ」がいるじゃん!!