嬉しいのとは裏腹に。キャプテンは責任感があるし、仕切らないといけない。それが私にできるのか、わからない。…そう。未知。

「できますよ、未来先輩なら」

「そんな簡単に言わないでよ〜…」

シンジはぷっと笑って、私を見た。なんだかその姿を見たらイライラした。人が悩んでるのに、彼には思いやりはないのか。

「悩むなんて先輩らしくない。」

シンジは笑いながら、私に言った。

「先輩はいつも任されたら張り切ってやってましたよね?任されたからには、全力でやったらいいじゃないですか」

シンジは自動販売機で「すっきりレモンさん」と言う炭酸飲料を買い、私に渡した。

「俺からのお祝いです」

「…私、レモンさんキライなんだよね」

「嫌いなものを好きになりましょ」

シンジは笑顔で、私に歩幅をあわせて、歩いてくれた。後輩の彼に、こんなにお世話になっていいのだろうか。