あ、それもそうかも…。というかよくよく考えたら一平に限ってそんなことするとは思えない。

「ごめんごめん。そうだよね。お姉ちゃんはやとちりしちゃった」

「ひでーなー、姉ちゃん。俺を疑うなんて」

困ったような顔をしてる一平を尻目に思わず照れ笑いを浮かべていると、ふとした瞬間にある疑問が浮かび上がる。

「あれ…でもそれじゃああずきバーは…」

ど、泥棒!?でもこんな長屋に侵入してあずきバーを盗む泥棒なんているかな?

「あ、そういえば姉ちゃんの知り合いの変な顔した人がさっき来てたよ」

え?変な顔?

「なんかちょっと目を離した隙にお父さんが引きずってったよ」

「お父さん?!」

アトリエに真っ先に向かう。なんだかちょっぴり嫌な予感がするけど…。