お風呂からあがると、一平がガリガリ君を食べながらテレビを見ている。なんだか零さんがいなくなると急に静か。それに気付いてちょっぴり寂しくなってしまった。

「あ、姉ちゃん。冷凍庫に入ってた袋なに?」

「え?」

冷凍庫を開けると、コンビニの袋が…。

中には…。

あずきバー。

「れいさん!」

ジャンプなんか読んでなかっんだわ。

スーパーの帰りにあたしの目を盗んでコンビニに行ったのは、あたしのためにあずきバーを買ってきて…。

「あれ?姉ちゃん、こんな時間にどこ行くの?」

「うん。あずきバー買いに行くの」

財布とあずきバーと自転車の鍵をにぎりしめてあたしは玄関を飛び出した。

今、零さんは何をしているの?

何を考えているの?

もしかして…。

もしかして…そんな…。

わかってるんだよ。違うそんなことない。

わたしは知らない。

知らないんだもん。

でもあたし…。

あたしは今零さんに会いたい。

だから、あずきバーをもう一個買って零さんの家に行くわ。

零さん。

あたしは知らない。

でも…。

知りたい。

知りたいよ。