転落の末路を辿るばかりだった。転落をするも、落下地点が見えなかった。本来の目的も見失い、 この場にいる意味すらすでにわからなくなっていた。繁華街の出入りはするが、傀楼殿の跡地へ足を運ぶ事もなくなっていた。もう何年も………。


「今日は新入りを紹介する。……さぁ、入れ」
「はい。………イセルナ=イージスです。よろしくお願いします」
「イセルナは先日まで武器開発部に所属していたが、実戦経験もあるので頼りになると思う。仲良くしてやってくれ」
「あッッ!アレクト!あいつ、この前のおチビじゃねぇか!」
「…………………」
「………ガン飛ばしやがった…」
「ゼファ……。ちょっと黙ってろよ…」
「ゼファ。繁華街はお前の庭だったな」
「まぁ、それほどでもあるけどよ……」
「イセルナを連れてってやれ。今日中にほぼ全域を把握させるように」
「そりゃ無茶だろ」
「把握させるように!」
「はいはい」
「ゼファ……。抜け駆けだけはすんなよ」
「…………」
「バカ野郎!………するかよ!」
「ゼファ……………」
「あぁー……、はいはい!よろしくな」
「………よろしく………」