高岳記念自然公園。
普段は人がほとんどいないこの公園は特大の流星群が見れるという今日この日に限り人がたくさん集まっていた。
まだ、夕方にもなっていないのに、だ。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん遊ぼー!」
いくら遊具がなくても公園というだけで子供の遊びたい欲求が爆発したらしい妹はさっきから僕の服をぐいぐいと引っ張って……
「痛ぁ!?ちょっとサクラそれはまずいってトリモチ弾は人に投げてはいけませんっ……僕は鳥じゃないっての!」
「咲良、トリモチは鳥に投げて捕まえる道具だ。お兄ちゃんに投げちゃいけない」
「父さん……!」
一生ついていきます、父さん。
「じゃあお父さんには投げても大丈夫だねっ」
無邪気に笑う我が妹。
ちなみに父さんの名前は鳥黒。
「……楓、咲良を連れてむこうで遊んで来なさい」
「わーい、お兄ちゃん遊ぼー♪」
……父さんの、裏切り者!
咲良も嬉々としてモデルガンとか縄とかナイフとか取り出さないでくれ。怖いから。我が妹ながらなんて恐ろしい奴なんだ……。