「……へぇー…

頬くらい、別に大したことないんだ〜?ふーん」




なんか企んでる……


ニヤニヤしてるもん…!!!!





「じゃ、帰ろうか。

また明日、田口に智純」



「………ぇ、ちょっと!!」




あたしのバッグと
自分のバッグを持って


教室から連れ出された。





「……頬くらいなら…

誰にでもキスさせんの?」



「…え?」




朱里は


悲しそうな顔で

あたしを見つめてくる。




………ズルい。


こんなときだけ



そんな顔して…




でも


反抗出来ない……




「……違うもん…

あたしは…
朱里だからしてほしいの……」




あたしも


朱里を見つめ返した。



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