あたしはそちらに目を向け、ファイに力無く手を振った。 「ファイ、ひさ…」 「ご主人ッ!!」 突然あたしの言葉を遮って、ファイがあたしに飛びついてきた。 「ファ、ファイ!?」 急に抱きつかれたあたしは気が動転したのと同時に、抱きつかれているという事実に顔が熱くなってきた。 ファイはそんなあたしを涙で潤んだ目で見てきた。 「よかった…、本当によかったっす。ご主人、なかなか目覚めないから俺心配したんすよ!!」 終いにはおいおいと抱きつきながら泣きわめくファイ。 .