プルルルル…


ピッ


「はい?」


「あ、あの私…さ…」


「うん何?」


「好きな人できた」


「うん」


「それで…菅野と別れたい」


「オレは別れないよ?」


「私…もう菅野に好きって気持ちが持てないの!!」


「それでも構わない」


「…………」


「付き合いたければ付き合えば?その人と」


伊月は言い返す言葉が見つからない。


「じゃあ、オレ忙しいから切るね」


プツッ…ツーツーツー…


力なく伊月は携帯をテーブルに置いた。


白いテーブルにピンク色の携帯が反射して歪んだ光を映す。