オレ必死だった
もうすぐ南は3年になる
そしたら…
オレのクラスの生徒じゃなくなるかもしれないんだろ?
オレが必ずしも担任を持てるかもわからない
また副担任になるかもしれない
そしたら、学校で南と会えるのも少なくなるかもしれない
まあ、家とかで会えるならいいけど…
これから受験だなんだって忙しくなる南をオレの勝手な気持ちで振り回したくない
「でもなぁー…。あーー!!どうすりゃいいんだ!!」
勝手に自己嫌悪
「ははは!田崎先生、ずいぶんストレスが溜まってるみたいですね?」
隣の席の福井先生が会議の資料を作りながらオレに視線を向けた
最近染め直したという黒に近い茶色の髪
オレも髪色変えようかなぁ…
「あ…あはは。いや、ちょっと…」
「さてはまた女の子泣かしたんじゃないですかー?」
って、それじゃオレが遊び人みたいじゃねぇか?!
「オレはそんなことしません。1人の女に夢中すぎて…。逆に大変なくらいっすよ」
福井先生はオレの言葉に深く頷きながら、またまたニヤリと笑う
「なるほど…。じゃ今彼女ありってわけですね」