「福井先生っ!」


突然、廊下に響いた声に私と福井先生は視線を向けた


そこには、スーツを乱しながら走ってくる先生の姿があった


瞬時に俯く私



「あっ…!田崎先生!」

「すみません…。吉岡具合悪いって聞いて…」


先生ったらいつのまにそんな器用に嘘を言えるようになったの?



「僕も今送ってくと言ったんですが…。1人で帰ると言い張るんです」


福井先生が俯く私の頭をポンッと叩いた



「…大丈夫です。僕がちゃんと送ります。」



先生…


私の涙に気づいてるハズなのに…



「あ…。そうですね。田崎先生のが安心ですね~」


「ご安心を。さぁ、吉岡帰ろうか」



先生は私の肩に手を乗せ、そのまま外へと出た