「……っ」
「吉岡さん…。僕じゃ力になれないですか?」
私は首を横に振った
違う
違う
これは私のわがままだもん
自分のことは自分でなんとかしなきゃ
「ほんと…何も…」
「何もないなら涙なんか流さないでしょ?僕に話して…。」
福井先生は、私の頭をそっと撫でた
「だい…じょうぶ」
「吉岡さん!僕はそんなに頼りないですか?僕じゃ力になれませんか?」
福井先生がこんなに真剣な顔を見るのは初めてだった
いつもどちらかと言うとニコニコ優しいイメージだったのに
今私の前にいる福井先生は、真剣に私の目を見つめてくれていた