「その…。私、帰ります」


なるべく先生と顔を合わせないように私は言った


まだ潤んでいる目を見られたくなかった


「体調悪いのか?なんなら送るよ?」



福井先生は私の顔に目線を合わせた


少しかがんでくれた先生は私の涙に気づいたようだった



「吉岡さん…」


「あの…。ほんと何もないんです。大丈夫ですから」


「ダメ。このまま帰らすワケにはいかないな。とりあえず保健室に…」



先生は私の肩に手を乗せて、優しく笑った


ああ


この顔あゆみとか他の女子が見たら…



「ほら。歩けますか?」


先生はなんならおんぶしますよ!なんて言ってくれた



ダメ



ダメ



なんか泣いちゃいそう