「こっちこっち!」


「ごめんっ!理奈、あゆみ!」



先生とゆっくり館内を回っていたら、集合時間に遅れてしまった


ジンベイザメとかカメとかもっと見たかったのに…




「いいよいいよ!それより、先生とちゃんと回れた?」


「うん!今着替えて…って、え?」



あ、あゆみ今『先生』って言った?!



「ぷっ!まさかうちらにバレてないとでも思ってたのか?」


「バレバレだったよね~?」



えーーー!?


じゃ、あの先生のコスプ…じゃなくて、変装を見破ってたってこと?



「最初は南モテんなぁ~って見てたけど、あんなにデカイ奴同級生でいたか?ってあゆみと見てて」


「で、先生がちらっとこっち見てニヤッて笑ったから、すぐわかったよ」



お、恐るべし先生


あんど、友達



「まじ爆笑だったよな?あまりに田崎が必死だから」


「本当に!でも、変装してまで南といたいなんて、先生も南にくびったけだね~!」



ニヤニヤと笑う2人に囲まれ、私はただ苦笑いするしかなかった




「ほら、はやく並べ~!」


「お、噂をすれば!」



私達の後ろから先生がきた



髪はいつものように横に流していて、服もいつも通りに変わっていた




「な、なんだよ」


「いや、田崎もなかなかやるなって。尊敬してたんですよ」



「…お前ら、やっぱバレてたか」



先生は少しバツが悪そうな顔をしていた



やっぱり友達は侮れないね…