3人で買ったガイドと照らし合わせながら沖縄の道を歩く
真っ青な空に白い雲が少し浮かんでいて、すごく鮮明な色に見える
やっぱり私が住む町とは違うな
歩いているとたくさんの人とすれ違う
小さな子供
杖をついたおばあさん
赤ちゃんをあやすお母さん
みんな普通の生活をしてるのに、なんだか私はほっとした気持ちになる
きっと昨日のことがまだ頭にあるせいだ
『平和』って言葉をたくさん見た
でも、何が『平和』なのか今だにわからない
争いがなければいいのか
悲しみがなければいいのか
確かな基準は誰にもわからない
でも、きっとこの当たり前の風景を、『当たり前』だって思えることが、平和なんだろうなって思う
『当たり前』は、昔から『当たり前』じゃない
いろんな『間違い』をしてきて、得られた『当たり前』なんだ
「南ー!探してた店あったよー!」
あゆみの声にハッとした
私は立ち止まったまま、後ろを眺めていたらしい
「うん!」
私は2人の元に走りだした
温かい風が頬に当たってなんだかくすぐったかった