「おばあちゃん達とかからの話でしか、わからないもんね」



あゆみはおばあさんが体験した戦争時代のことを取材して、提出してた


その際あゆみは、衝撃が強すぎて、話を最後まで聞けなかったそうだ



「でも、だからこそこの機会にちゃんと学んでいって欲しいな」




いつの間にか通路に立っていた先生


空いている私の隣に腰かけてきた



「ちょ、先生っ?!」


「しー!みんな外見てるから大丈夫だよ」


先生は優しく笑って私の頬をつねる


でも笑顔は一瞬だけで、頬から手を離すと真剣な眼差しになった



「みな…、吉岡は沖縄は初めてだろ?」


さすがに呼び捨てはまずいと思ったのか、先生は名字で呼ぶ

なんだか不思議な感じだ



「…はい」


「オレは1度旅行で来たことがあるんだ。でも、その時は全然こういうのに関心がなくてさ…。いや、違うな、逃げてたんだな」



先生はふぅーと息をはいた


先生がこんな表情をするのは久しぶりだ