鞄も財布も携帯も置いて走ってきた私は本物のバカだと思う このまま歩いて帰るのは無理 でも… またあそこに戻るのも無理 じゃあどうすりゃいいのよ しゃがみ込んだ私の上に、影ができた 「はあ…やっと見つけた」 少し低い、温かい声 「…せんせ」 「ったく…南は速いなぁ」 私は先生の顔もろくに見ずに走り出した こんな泣き顔見られたくない ただのヤキモチ でも、私にとったらただのじゃない 先生にとったら… ただのなの??