先生とは最近あんまり2人で会えてなかった


お互い定期テストだったり、仕事があったりと時間がなかなか合わなかったからだ


だから今日からの旅行は正直言うと、先生とも周りたいな…なんて思ったりもする



「は~い、皆さんおはようございます~」


ざわざわと生徒が集まる中、ほわ~とした声がかかる



「あ、福ちゃんだあ」


あゆみはぴょんぴょんと跳ねて、先生の元へと向かう



「あいつ…ほんと福井スキだよなぁ」


「彼氏が見たら泣いちゃうね」


私と理奈は若干呆れながらあゆみの後についていく



「あ、吉岡」


「へ?」


ふいに腕を掴まれ、驚いて振り向くとなんだか変な表情をした先生がいた



「な、なんですか?」


「あのさ…いや…その…だから…」


困ったような、照れたような、変てこな顔の先生


「あの…集合がかかってるんですけど…」


理奈は不思議そうに私と先生を見てるし、みんなも並び始めている



「先生…?」


「…悪い。またちゃんと話す」



先生は私の腕を離し、とんっと背中を押した