先生のされるがままに車に乗せられる私
前回乗った時にはなかった流行りのCDなんかが置いてあった
「へぇ~…先生もこんなの聞くんだ?」
「お、お前…オレだってまだ20代だぞ?オヤジ扱いすんなよ!」
先生はブスッと膨れ、私の頬をつまんだ
「若者のことも理解しとかないとな!」
「やっぱりオヤジじゃん!」
先生とこんな風に冗談を言い合ったのは何日ぶりだろう
私…こんなに笑えたっけ?
「南ってば、元気じゃんか!まあ、今日は特別だからな?」
先生は途中、暖かい紅茶を買ってくれた
懐かしい…
初めて先生の車に乗った日を思い出す
「先生…?」
「ん?何?」
赤信号で止まり、視線をこちらに向ける先生
大きな瞳に私が映る
「この車…他の人乗せたりした?」