「んぅっ・・・っく・・・ひっく・・・」
一人なんてやだよ・・・。
久しぶりに涙が頬を伝って落ちた。

ここに誰かがいたと思うといきなり、一人じゃいられなくなった。



「お母様は、なんでっ・・・」
私を美しく生んだの?
こんな顔いらなかった・・・。



ガタッ・・・




後ろで物音が鳴った。
とっさに振り向く。
そこには顔の整った綺麗な男の子がたっていた。




「誰・・・」
私は震える声で呟いた。
殺される・・・一瞬そんな考えが過ぎったから。

「・・・優也・・・あんたは」
ぶっきら棒に“優也”は聞き返した。
「若葉」
私はそっけなく言った。


そして小さく呟いた。
「そう・・・あなたも美しく生まれてしまったのね」