真っ暗で長い階段を一段一段降りる。
5歳の私にとってお母様の話はよくわからず、どうしてこの暗い場所に行かなければいけないかもわからなかった。


理解したことはここにいなきゃいけないってこと。


生きるために必要なものを入れたリュックを背負って痛い肩。
5歳までは隠せた。でも、感付きはじめている、もう隠せない・・・。
だからここで生きる・・・。



一人が怖くて最初はいつも泣いてた。
でも、慣れというのは怖いもので一人が平気になっていた。



そして気付いた。


ここに生きた証拠がある・・・。
足跡みたいな跡、ものを食べた跡・・・
布団や食べ物もあった。




誰かがここで生きていた・・・。





隠れて生きなければいけなかった人間がここで生きていた・・・。