倖が欠かさずポケットに入れて舐めている飴だった。

見た瞬間に、倖の事で頭がいっぱいになり司への感情が分からなくなった。

その後、映画を見たりゲーセンに行ったりして遊んだけれど、

『―――楽しい。』と言う感情は一つも沸かなかった。


あっという間に時間が過ぎ。

「楽しかった!ありがとう!」

「そうだなっ!じゃあまたなっ!」

司が手を振りあたしも手を振り返すと


感情が倖の方向に向かった。

司の感情もう無い方に近かった。