――そして帰宅道。
「ごめんね、鷹野くんに如月さん」
「私は別にっ」
「芽衣は甘いなっ。でも今回の事は許してやる。唯、今度勝負を仕掛けてくるときには、正々堂々とやれっ」
「うん、分かったよ」
それから慧くんと別れて、私達は2人で歩いていた。
「結局、弘人くんも甘いんじゃんっ」
「俺はネチこい性格じゃねぇだけだっ」
「ふふ、慧くんにもいい人見つかるといいねっ」
「ああ、そうだな。おめぇよりいい奴なんて、この世にはいねぇだろうけどなっ」
「又人をそうやってからかう」
「別にからかってなんていねぇよっ」
「あっそ」
そう言い、私はプイッと横を向く。
「こっち向けよっ」
「嫌だっ」
そう言うと少し強引に、弘人くんの方へ顔を向けさせられる。