「確かに今してる事は悪いことだよっ。表とか裏とか、私にはよく分かんないけど、それでも慧くんは優しいと思う。私が女の子達に虐めにあったとき、慧くんが一生懸命私を探してくれてたって弘人くんが言ってたよ?慧くんは、自分の優しさに気付いてないだけなんだよ」
「そんなことないっ!」
「そんなことあるよっ!慧くんは優しいっ!私が保証してあげるっ!」
「馬鹿だね、君は」
「はは、よく言われる。もし、誰かがホントの慧くんを知って嫌うなら、そんな友達、友達なんかじゃない!っと私は思う。私も昔は自分の事包み隠して、優しい人を演じてたっ!でもね、そんなの何の特にもならないんだよっ!自分が惨めになるだけって分かったから、私は包み隠す事を止めたのっ!それでも里奈ちゃんは、こんな私と友達で居てくれた。そんな友達、慧くんにはいないの?」
「そんな友達、僕にはいないよ……」
慧くんは又、淋しそうに顔を歪めた。