――次の日。
慧くんは何かを仕掛けて来るんじゃないかと思っていたが、何事もなく学校が終わった。
それから数日は何事もなかったのだが、ある日弘人くんの携帯から電話がかかってきた。
「もしもし」
『如月さん、海辺の第2倉庫に来てくれますか?』
その声は弘人くんではなく、慧くんの声だった。
「何で慧くんが?!弘人くんは?」
『コホ、ゲホッ、来るな、来んじゃねェっ』
次は弘人くんの声だ。
殴られているのか、凄い音がなっている。
耳を塞ぎたいくらいだ。
『ウザいよ、君。喋らないでくれる?取りあえず1人で来てね』
そう言った後、電話は切られた。
私は急いでその倉庫へ向かった。
弘人くんは“来るな”て言ってたけど、ほっとくなんて、出来ないよ……。