だが芽衣の次の言葉で、そんな不安は全て吹っ飛んだ。

「弘人くんはあんな奴じゃないっ!確かに口は悪いし、意地悪だけど、弘人くんは優しい人です!貴方が人を見下すような人だと思わなかった。私は貴方とは付き合わない!どんなことがあろうと、私は弘人くんから離れる気はないっ!」


内心“そこか?”と思ったが、俺は嬉しくて、柄にもなく舞い上がりそうだった。

「ふふ、そんなにアイツが良いんだっ。まぁ良いや、今日はこのぐらいにしといてあげる。でも今僕に言ったこと、後悔しないでね?」

そう言うと葛木は教室を出てきた。


「居たんだ」

「てめぇ、芽衣になんかしたら許さねぇからなっ」

胸ぐらを掴みそう言うと、奴は降参というばかりに手を降った。

俺が手を離すと、葛木はこう言った。

「でも覚えてて。あの子は絶対手にいれるから」

っと。


そしてニヤリと笑い、葛木は俺の前を通り過ぎていった。


俺は芽衣が心配になり、教室に入った。

案の定芽衣は、床に座り込んでいた。


あんな大胆な発言したんだ。

当たり前と言えば当たり前だ。


「大丈夫か?」

俺がそう聞くと、芽衣はコクりと頷いた。

そして俺達は一緒に教室を出た。




芽衣がああ言ってくれたんだ。


俺はどんな事があろうと、芽衣を絶対離さねぇっと心に固く誓った。