俺は昨日の事もあり、生徒会室の前で芽衣が出てくるのを待っていた。
暫く経つと、葛木が芽衣に何か話し出したようだ。
俺は聞き耳をたててその話を聞く。
「ねぇ昨日、学校の前でキスしてたでしょ?」
「えっ?」
「偶々見てたんだっ」
「そう……」
「余程僕に君を取られたくないみたいだね。僕に見せつけるようにキスしてたし」
そう、見せつけたのだ。
そのお陰で凄い顔で睨まれたが。
これが奴の裏の顔。
もっとも芽衣は気付いてないようだが。
「えっ、見せつける?」
「僕の存在に気付いてたみたいだからね。まぁライバルがいた方が恋は燃えるって言うし。ねぇ如月さん。あんな奴止めて、僕と付き合わない?」
奴の言葉に不安を覚えた。
芽衣がもしOKしたらと、とてつもない不安感に浸っていた。