次の日、私達は理事長に呼び出された。


虐めの件だろうか。

私は弘人くんと共に、理事長室へと向かった。

因みに此処の理事長、慧くんのおじいさんらしい。

この学校ではほぼ教頭が仕切っているので、今だかつて理事長に会った事はない。


ゆっくりと中へ入ると、見慣れた2人がいた。

慧くんと、あのゲーセンのおじいさんだ。

「あ、ゲーセンのじいさんっ」

それに気付いたようで、弘人くんがおじいさんに指を指している。

「やぁ、久しぶりだね。改めて自己紹介をしようか。私はこの学校の理事長を勤めている、葛木仁(ジン)じゃ」

私は驚いて、弘人くんを見た。

弘人くんも目を丸くして、驚いている。

「嘘っ!」

「お爺様、お2人をご存知なのですか?」

慧くんも知らなかった様で、おじいさんに聞いている。