いくら待っても、芽衣は下駄箱に来ない。


暫くして、葛木(カツラギ)慧が下駄箱にやってきた。


「おい、葛木。芽衣知らねぇか?」

「えっ?如月さん、まだ来てないの?」

そう言うと葛木の顔付きが変わった。

「もしかしたら」

「何だよっ」

「如月さんから聞いてないの?」

「だから、何がだよっ」


葛木は、数日前に起こった事を教えてくれた。

「靴に画鋲だと?」

「一応、鷹野くんにも知らせときなよっとは言ってたんだけど。取りあえず、如月さんを探すのが先だよっ」

「ああ」

俺達は芽衣を探し始めた。