会計しようとしたら、弘人くんが財布を出していた。
「あれ?」
弘人くんはそのまま支払いをすると“行くぞ”と、私の手を引っ張ってファミレスを出た。
「私の奢りじゃなかったの?」
「払わすわけねぇだろ。冗談だって気付けよっ」
「あ、そっか。ありがとう」
それから私達は遊園地に向かった。
「これ乗ろうよっ」
私が指差したのは、ジェットコースター。
「あ、ああ」
「どうしたの?」
「否、別に」
そうは言うものの顔が引きつっている。
「そう?」
そう言い、私は弘人くんの手をひいて、ジェットコースターの行列に並んだ。