「ああ、私はこれでも昔はモテてたんじゃよっ。いつも告白されてばっかりじゃったわっ」
「じいさんが?よく言うぜっ」
「本当じゃよ。でも私が好きになった人は、私に告白せんがった。だから私は初めて告白した。あの頃の告白を思い出すと、今でも恥ずかしいわっ」
「それでそのお相手とは、どうなったんですか?」
「OKしてくれたよっ。そして今では私の妻じゃっ」
「へぇ〜、素敵ですね。初めて告白した相手がお嫁さんだなんて」
「どうだかっ」
「もう本当、ロマンのロの字も無いんだからっ」
「ホッホッホ。お前さん達も、今の気持ちを忘れずに居たら私達のようになれるさっ」
「でも弘人くん、初めて告白したの私じゃないでしょっ?」
「知るかっ」
本当は初めて告白したのだ。
でもそんなの恥ずかしくて言えるかっ!
それから笑い出すじいさんを睨み付けて、俺は如月とゲーセンを出た。