「ね~奈々?聞いてる?」

美果の呼びかけであたしは我に返った。

「…っあ、ごめん。陸上部だったけ?考えてみるよ!」

明るく振る舞うと美果は安心したように

「いい返事待ってるから!じゃああたし部活行くから」

っとさって行った。



陸上部かー…

考えもしてなかった。


イジメにあうまでの陸上と歩む日々、それはとても楽しかった。

毎日毎日走って跳んで、辛かったけどその分記録が伸びるを嬉しくて…

がんばって走りこんだものだ。


陸上をやめて後悔している。

何があったって好きならやり続ければ良かった。

陸上を失った中学生活は友達との楽しい思い出もあるが、やはり物足りない気もしていた。



……そうだ、あたしは陸上が好きなんだ