その雑誌には手作りクッキーの特集をしていた。

バレンタインが近かったせいか、ほとんどの雑誌がお菓子の特集をしている。


「ユキー、これはバレンタインに作るお菓子なんだよ。だから、誕生日プレゼントはちょっとおかしいかな。」


ユキはきらきらした目であたしを見る。


「もしかして、ユキ、クッキー食べたいの?」

「ワンッ!」

「恵美ちゃんに作るついでに自分にもくれと?」

「ワンッ!」


ユキは勢いよく吠えた。