「だからさ、あたしも『ありがとう』って言いたくて…それから…」


あたしはうつむいていた顔を上げ、まっすぐ恵美ちゃんを見た。

これだけはちゃんと言いたかったから…


言わなきゃいけないから…


「ごめんね…」


涙がこぼれそうになった…

でも、我慢をして恵美ちゃんの目を見る。


「…い、いくら謝っても許してあげないから。」

「分かってる。許してもらおうなんて思ってない。ただきちんと謝りたくて…恵美ちゃんはあたしの大切な友達だから…」


それから何分か沈黙が続いた。